2015年05月18日
腰痛と技の進歩
4月の下旬から2週間ほど頑固な腰痛に悩まされました。原因は明らかではなかったのですが、朝の稽古が終って、食事が済んだ頃から腰回りに違和感を覚え、だんだんと痛みが強くなってきました。ですから、ぎっくり腰のように、この時こういう事をして腰を痛めた、という訳ではないのです。2日ほどは真っ直ぐに立つのにも支障がある状態でした。その後も、立っていれば良いのですが、一旦腰かけると、立つ時に「いたたた・・」という状態でした。自分で手の届く範囲に鍼治療をしたり、一人でできる整体をしましたが、治療による反応が良くありません。テーピングをしてもあまり効果はありません。自分自身にする治療には限度があるにしても、手応えが今一つです。仕事や稽古を毎日しているせいもありますが、症状の推移や痛む部位の変化が、どうも普通の腰痛ではないと感じました。
思うに、この数か月、骨盤や股関節周囲の動き方に、特別な意識を置いて稽古していたので、身体の中で何かが臨界点に達して、身体が変化する過程であったようです。今は、腰痛はすっきりして、身体の中の構造体が以前より弾力を持って、身体が更に重く使えるようになりました。稽古の前後には、身体のメンテナンスの為に、気功やストレッチを十分しているのですが、長い事稽古をしていると、そういう事もあるものです。
太極拳のような武術は、技術が積み重なって、飽和状態になると質的に変化をするという事を繰り返していくようです。ですから、年齢による劣化というものはあまりなく、稽古を続けていけばいつまでも進化の可能性があります。稽古を止めなければ、「昔は〇○だった」とか「若いころは××だった」という事を言わないで、いつまでも現役なのがありがたい事です。
2015年02月20日
太極拳で、なぜ痛みが楽になる?
太極拳の練習を続けていると、肩こり・腰痛や膝の痛みが楽になります。何故なら、太極拳の練習時の注意事項は、「身体取り扱いマニュアル」 であるからです。そのマニュアルは、身体に負担をかけずに効率よく身体を造り、操作する方法であるからです。多くの場合、何らかの訓練を受けていない人は、
身体を動かす時に適当にやっています。それは、ほとんどが成長過程で家族などの模倣から得た身体の動かし方です。ですから、わざわざウォーキング教室に行って歩き方を習う人もいる訳です。適当に動いていても、若くて元気があったり、身体が丈夫であれば無理も効くのです。
しかし、何か問題が起こった時に、それでは駄目であったと気が付きます。
太極拳には2つの意味があります。
1つは・・・・・・・身体造りの手段としての太極拳です。太極拳は露骨にマッチョになるような筋力トレーニングはしませんが、下半身は徹底的に鍛えます。また、身体の正中線や正中面の意識が明確になり、身体の軸がしっかりと立った身体になっていきます。これが、言ってみればハードを変える手段としての太極拳です。
2つ目は・・・・・ソフトとしての太極拳です。「太極拳の身体」を動かす操作方法としての太極拳です。身体の軸をどのように動かしていくか、気の流れをどう操作していくかという操作マニュアルとしての太極拳です。
こうして、自由自在に軽やかに動ける身体を得るのが太極拳です。
膝の痛みの為に、大腿部の大腿四頭筋を鍛えるのが整形外科で推奨している運動療法です。それは、もちろん効果的で良い事です。しかし、練習が詰まらない事が問題です。長続きする人が多くありません。また、その練習には、身体の使い方、歩き方・立ち方その他の動作の注意事項は含まれていません。太極拳の練習は面白味があり、身体造りをしながら身体に負担のない動きの練習をする事になります。
ですから、太極拳を続けていると、結果として健康でよく動く身体、身体能力のすぐれた身体になるわけです。加齢変化等のハンディがあっても、合理的に身体を使う太極拳の動作を身につける事で、痛みが改善・軽減するわけです。そういえば、以前、80代で長く太極拳を練習している人の筋肉のMRIが話題になりました。
その筋肉は腸腰筋と言って、いわゆるインナーマッスルです。腰椎から骨盤の内側、大腿骨へと走っている筋肉です。歩行に関係する重要な筋肉です。この筋肉が高齢者でも太極拳を練習し続けて人では、一般の若い人より見事に発達していました。インナーマッスルを意識的に鍛えるのは大変ですが、太極拳では、肩関節にしてもインナーマッスルを鍛える方向で動きが構成されています。
地道に真面目に、というのがこの頃は流行りませんが、太極拳に関しては、地道に真面目に行う事で、練習が報われることがあるようです。
2015年02月08日
気功で治そう その腰痛!
腰痛は多くの人が1度は経験したことがあるかと思います。原因が明らかで、原因が無くなれば改善するものもあります。若い人の ぎっくり腰 は適切な治療をすれば、1~2週間で改善します。
仕事の疲れで慢性的に起こっている腰痛や、加齢変化が主な原因の腰痛、或いは原因のはっきりしない腰痛は、なかなかすっきりと治らず日々不愉快な思いをしている人が少なからずいます。
いつも腰に違和感や重い感じがある。ちょっと疲れると腰痛になる。時々、ぎっくり腰になりそうな不安な状態になる。病院ではレントゲンで何でもないと言われた、年のせいだと言われた、が痛い。
こんな方は気功の練習を勧めます。
腰痛や腰部違和感の原因の多くは、椎間板の劣化や腰椎の変形等によるところが多いものです。そうした変化があると、腰椎の不安定性や椎間板・変形腰椎が、その近くの神経に刺激を与えて炎症を起こします。そうした炎症が痛みの原因になります。炎症はいずれ治まり身体に備わっている自然治癒力が痛みを癒すはずなのですが、筋力低下や悪い姿勢等があると、なかなか腰痛がすっきりしない状況が続きます。
気功はまず姿勢を整えます。多くの人は良い姿勢と言った時に、学校で習った 「きをつけ!」の姿勢やモデルのような姿勢を想像します。局所の筋肉に負担をかけず、骨で支えて無理のない姿勢という事にあまり思い至りません。頭の天辺から紐で吊られているような姿勢。胸を張ったりお尻を突き出したりしていない、ふわっと柔らかく立っている姿勢。それが、健康に良い姿勢です。
まさに、その姿勢を気功や太極拳では行っています。
気功は呼吸運動が主になりがちですが、それ以前に適切な姿勢を取る、という事も大きな練習の課題です。柔らかく骨で支えるように立つことを覚えると、それだけで、腰のあたりがすっきりします。
更に、気功では、大きくゆっくりと呼吸の訓練をします。これは腹筋と背筋の両方を上手く鍛えてくれます。筋トレで鍛えた腹筋とは違い、腰回りを支えてくれる筋肉に育っていきます。そうする事で、腰椎の不安適性が改善します。気功で鍛えた筋は、結果としてコルセットと同様の働きをするようになるわけです。また、気功によって、冷え症のある方は冷え症も改善します。冷え症があると腰痛が起こりやすくなります。冷え症を治すことも、間接的に腰痛対策になります。
・姿勢が良くなる
・筋肉がついて、腰回りを守ってくれる
・冷え症が改善して、結果として腰痛が起こりにくくなる
気功は簡単ではありませんが、指導を受ければ誰でも出来るものです。太極拳も良いのですが、太極拳は型の段取り・手や足の動きを覚えることに気持ちが行ってしまい、本質的な体の使い方に至るまでに少し時間がかかる方が多いようです。その点気功は動きが少なく、最初から治療目的の細かい身体操作を中心に練習できます。練習の目安は、1日15分程で週に4回以上、それを1カ月続ければ、少し手ごたえが感じられます。3カ月続ければ、身体が変わります。太極拳であれ気功であれ、或いはヨガでも、自分が好きで続けたいと思うものを選ぶことが大切です。
少しだけやる気を出して頑張れば、そんなに難しい事ではありません。続ける事も、楽しんで練習する事で、意外と出来てしまうものです。
ちょっと興味があるな、という方はお気軽にお問い合わせください。
0545-53-2677 花音堂・わたなべ
お問合せは 平日10時から12時または、月・火・木曜日の15時~19時にお願いします。
メールでの問い合わせは、 teaparty08031972@gmail.com までお願いします。