2015年02月20日
太極拳で、なぜ痛みが楽になる?
太極拳の練習を続けていると、肩こり・腰痛や膝の痛みが楽になります。何故なら、太極拳の練習時の注意事項は、「身体取り扱いマニュアル」 であるからです。そのマニュアルは、身体に負担をかけずに効率よく身体を造り、操作する方法であるからです。多くの場合、何らかの訓練を受けていない人は、
身体を動かす時に適当にやっています。それは、ほとんどが成長過程で家族などの模倣から得た身体の動かし方です。ですから、わざわざウォーキング教室に行って歩き方を習う人もいる訳です。適当に動いていても、若くて元気があったり、身体が丈夫であれば無理も効くのです。
しかし、何か問題が起こった時に、それでは駄目であったと気が付きます。
太極拳には2つの意味があります。
1つは・・・・・・・身体造りの手段としての太極拳です。太極拳は露骨にマッチョになるような筋力トレーニングはしませんが、下半身は徹底的に鍛えます。また、身体の正中線や正中面の意識が明確になり、身体の軸がしっかりと立った身体になっていきます。これが、言ってみればハードを変える手段としての太極拳です。
2つ目は・・・・・ソフトとしての太極拳です。「太極拳の身体」を動かす操作方法としての太極拳です。身体の軸をどのように動かしていくか、気の流れをどう操作していくかという操作マニュアルとしての太極拳です。
こうして、自由自在に軽やかに動ける身体を得るのが太極拳です。
膝の痛みの為に、大腿部の大腿四頭筋を鍛えるのが整形外科で推奨している運動療法です。それは、もちろん効果的で良い事です。しかし、練習が詰まらない事が問題です。長続きする人が多くありません。また、その練習には、身体の使い方、歩き方・立ち方その他の動作の注意事項は含まれていません。太極拳の練習は面白味があり、身体造りをしながら身体に負担のない動きの練習をする事になります。
ですから、太極拳を続けていると、結果として健康でよく動く身体、身体能力のすぐれた身体になるわけです。加齢変化等のハンディがあっても、合理的に身体を使う太極拳の動作を身につける事で、痛みが改善・軽減するわけです。そういえば、以前、80代で長く太極拳を練習している人の筋肉のMRIが話題になりました。
その筋肉は腸腰筋と言って、いわゆるインナーマッスルです。腰椎から骨盤の内側、大腿骨へと走っている筋肉です。歩行に関係する重要な筋肉です。この筋肉が高齢者でも太極拳を練習し続けて人では、一般の若い人より見事に発達していました。インナーマッスルを意識的に鍛えるのは大変ですが、太極拳では、肩関節にしてもインナーマッスルを鍛える方向で動きが構成されています。
地道に真面目に、というのがこの頃は流行りませんが、太極拳に関しては、地道に真面目に行う事で、練習が報われることがあるようです。
Posted by 渡辺克敬(わたなべ かつゆき) at 00:23│Comments(0)
│悩み解決に太極拳