2015年01月18日
膝の痛みが消えた
太極拳の個別指導をして3ヶ月くらいの生徒さんです。60代の方で、時々膝の痛みがありました。見てわかる程の強い膝の変形は無い方でした。
その生徒さんは、太極拳の型はそこそこの練習でしたが、気功は結構真面目に取り組んでいました。
気功の練習は少しだけ膝を曲げて立ちます。呼吸の訓練も大事ですが、気功においては、余分な力を抜いて正確な形をとって動く事が大切です。そうしていると、身体の中で重力に対する垂直な軸がしっかりしてきます。柔らかく立っていても、しっかり大地に根ざした立ち方になります。ちょっと見ると気功の練習は、腕だけしか動かしていないように見えるのですが、実際には正確な姿勢を保つ為に、体中の筋が少しずつ動いています。そうやって筋肉のバランスや姿勢を正して、身体の中を整える事で呼吸も深く楽にできるようになります。そして、気の動く感覚も分かるようになります。
立ち方が良くなって膝・足への重心のかかり方が改善して、また全身の気血の巡りが良くなってきた結果、この方は膝の痛みが良くなったようです。特に膝を意識した訓練をしなくても、地道な練習を重ねる事で、身体の中で悪かった所の痛みが改善した例でした。
その生徒さんは、太極拳の型はそこそこの練習でしたが、気功は結構真面目に取り組んでいました。
気功の練習は少しだけ膝を曲げて立ちます。呼吸の訓練も大事ですが、気功においては、余分な力を抜いて正確な形をとって動く事が大切です。そうしていると、身体の中で重力に対する垂直な軸がしっかりしてきます。柔らかく立っていても、しっかり大地に根ざした立ち方になります。ちょっと見ると気功の練習は、腕だけしか動かしていないように見えるのですが、実際には正確な姿勢を保つ為に、体中の筋が少しずつ動いています。そうやって筋肉のバランスや姿勢を正して、身体の中を整える事で呼吸も深く楽にできるようになります。そして、気の動く感覚も分かるようになります。
立ち方が良くなって膝・足への重心のかかり方が改善して、また全身の気血の巡りが良くなってきた結果、この方は膝の痛みが良くなったようです。特に膝を意識した訓練をしなくても、地道な練習を重ねる事で、身体の中で悪かった所の痛みが改善した例でした。
2014年12月13日
太極拳の効用
太極拳を始めると、色々と良い事があります。まず、姿勢が良くなります。歩き方もきれいになってきます。肩こりや腰痛が改善します。生理痛などで月に1度辛い思いをしていた人は、かなり楽になります。
そして何よりも良いのが、自分の身体についての1つの基準が得られるという事です。バレエや歴史のある武術をしている方は、1つ1つの動作について厳しく教え込まれます。行儀作法などを習っている方も、立ち居振る舞いについて厳しくしつけられることでしょう。
しかし、一般的には専門的にスポーツをしている方でも、立ち方歩き方等、基本的な動作について、それ程厳しい教えを受ける事は稀です。
太極拳では、立ち方1つにしても、足の裏へ体重のかけ具合から、足の指の使い方、頭の位置、背骨や骨盤の状態まで、かなり厳しく訓練を要求されます。そして、動く時にも、手の上げ下げについても、足の踏み出し方についても、高い要求がされます。呼吸や意識の持ち方についても、同様に様々な要求があります。もちろん、それらの事は順番を負って少しずつ出来るように稽古を積んでいきます。
太極拳は見てわかる以上の事が、身体の中や意識の中で行われています。そうしたこともあって、あのようにゆっくり動いているのです。今まで使ってきた日常生活レベルの動きを止めて、全く新しいシステムで動くように訓練を繰り返していくのです。ですから、早く動けるものではありません。
そうして稽古を続けているうちに、自分の身体が理論化されてきます。物指しというか、1つの基準が出来てくるのが分かります。そうすると、人の動きを見ても多くのことが分かります。例えば、変形性膝関節症の人の歩き方は,O脚であり、体重が足の外側、特に踵よりにかかっています。つま先と膝の方向が一致していない事もあります。太極拳では、体重は足の裏全体にかけつつも、特に親指の付け根に集まるようにしています。踵もつま先側も含めて足全体が地に沈むようにしているのですが、その中心が親指の付け根という事です。誤解の無いように補っておきますと、重心はそのように沈めつつ、身体そのものは、薄氷の上にあるように上から吊り上げている状態を保っています。これは少し難しいのですが、型稽古と站樁を適切に行う事で、誰でも可能な状態です。
このように自分の身体の使い方が理論と実際で分かっていますので、変形性膝関節症の人がどのように歩けば、痛みが軽減できるか分かるわけです。また変形性膝関節症の人には太極拳は良い効果を与えます。最近ではそうした事が論文でも発表されています。変形性膝関節症の人は、適正体重と、下肢の筋力増強が求められます。太極拳を行う事で膝が楽になる人は多くいます。真面目に取り組んでみる価値はあるというものです。
そういった訳で、太極拳を行う事で、いろいろな効用があります。歩き方にしても、どのように歩けば健康に良く、また、美しく歩けるのかが分かってきます。そうした事も含めて、自分自身の身体と精神についての見識が高まる、というのは大いなる収穫であると考える次第です。
そして何よりも良いのが、自分の身体についての1つの基準が得られるという事です。バレエや歴史のある武術をしている方は、1つ1つの動作について厳しく教え込まれます。行儀作法などを習っている方も、立ち居振る舞いについて厳しくしつけられることでしょう。
しかし、一般的には専門的にスポーツをしている方でも、立ち方歩き方等、基本的な動作について、それ程厳しい教えを受ける事は稀です。
太極拳では、立ち方1つにしても、足の裏へ体重のかけ具合から、足の指の使い方、頭の位置、背骨や骨盤の状態まで、かなり厳しく訓練を要求されます。そして、動く時にも、手の上げ下げについても、足の踏み出し方についても、高い要求がされます。呼吸や意識の持ち方についても、同様に様々な要求があります。もちろん、それらの事は順番を負って少しずつ出来るように稽古を積んでいきます。
太極拳は見てわかる以上の事が、身体の中や意識の中で行われています。そうしたこともあって、あのようにゆっくり動いているのです。今まで使ってきた日常生活レベルの動きを止めて、全く新しいシステムで動くように訓練を繰り返していくのです。ですから、早く動けるものではありません。
そうして稽古を続けているうちに、自分の身体が理論化されてきます。物指しというか、1つの基準が出来てくるのが分かります。そうすると、人の動きを見ても多くのことが分かります。例えば、変形性膝関節症の人の歩き方は,O脚であり、体重が足の外側、特に踵よりにかかっています。つま先と膝の方向が一致していない事もあります。太極拳では、体重は足の裏全体にかけつつも、特に親指の付け根に集まるようにしています。踵もつま先側も含めて足全体が地に沈むようにしているのですが、その中心が親指の付け根という事です。誤解の無いように補っておきますと、重心はそのように沈めつつ、身体そのものは、薄氷の上にあるように上から吊り上げている状態を保っています。これは少し難しいのですが、型稽古と站樁を適切に行う事で、誰でも可能な状態です。
このように自分の身体の使い方が理論と実際で分かっていますので、変形性膝関節症の人がどのように歩けば、痛みが軽減できるか分かるわけです。また変形性膝関節症の人には太極拳は良い効果を与えます。最近ではそうした事が論文でも発表されています。変形性膝関節症の人は、適正体重と、下肢の筋力増強が求められます。太極拳を行う事で膝が楽になる人は多くいます。真面目に取り組んでみる価値はあるというものです。
そういった訳で、太極拳を行う事で、いろいろな効用があります。歩き方にしても、どのように歩けば健康に良く、また、美しく歩けるのかが分かってきます。そうした事も含めて、自分自身の身体と精神についての見識が高まる、というのは大いなる収穫であると考える次第です。