2016年04月13日
肘の使い方① 掌は肘で動かす
肘の使い方、と言うと肘打ちの話のようですが、
今回は、身体運用での肘の役割のお話です。
例えば太極拳の型の中で、掌を上に向ける動きの時、
普通にやると、手や掌を意識してそこを回すように
手を動かす事になります。
太極拳の場合、掌を返す時には、肘に意識を置いて
肘で掌を返すようにします。イメージとしては
誰かが肘を掴んで自分の前腕を回して、結果として
掌が回る感じです。実際に誰かにやってもらうと
すぐ分かります。
慣れれば自分でも、肘を上手く回せるようになります。
そうすると、ある事に気が付きます。
掌を上に向けたり下に向けたりする時に
肘を動かそうとすると、肩が下がります。
背中にも影響が出ます。
掌を返すという動作だけでも、全身を使う事になります。
結果として、前腕を回外・回内させる時に、
大きな力を作用させることが出来ます。
つまり、握られた手を返したりする事が容易になります。
また、相手の前腕に自分の前腕を乗せて、
相手に大きな力を作用させる事も可能になります。
体幹から大きな力が作用して回転するように
末梢の手に伝わる。そうです、纒絲勁ですね。
相手に手首を握らせておいて、肘で前腕を回外させ、
掌を上に向けます。この時に手を意識して回すと、
相手の手と自分の手首の間で力がぶつかります。
ところが、肘を意識して手首に力が掛らないようにすると、
肘を回した力を相手の首や肩の方まで作用させることが
出来ます。そうです。化勁ですね。
一人の型稽古を、どれだけ真剣に行っていたかで
こうした事が可能かどうかが、決まってきます。
幸い双辺太極拳の型は纒絲勁や化勁を学ぶのに
適しているようす。
腕を回旋させる動きが頻繁に出てきます。
ありがたいことです。
Posted by 渡辺克敬(わたなべ かつゆき) at 00:27│Comments(0)