2015年10月02日
ジェームズ・ボンドとシステマ
ジェームズ・ボンドの戦闘技術は映画を見ている限りは、特別な物は感じられません。スティーブン・セガールは何の映画でも、合気道やカリが使われているようですが、ジェームズ・ボンドでは演じる俳優に関係なく、そのバックボーンに特別な物は感じられません。設定はMI6の所属であり、元軍人なので、軍隊で仕込まれたか、MI6で仕込まれた技術があってもいいと思うのですが。もっともSASのアンディ・マクナブはこんな事も言っていました。「ベルファーストの街角で、ブルース・リーのようなことをすればたちまち目について身元がばれてしまう」 もっともな話ですが、ある程度の技量の人は技がどんどん目立たなくなり、日常生活動作に近くなるものです。これは、ゲームとしての格闘技とは対極にある進化です。さて、ジェームズ・ボンドの小説の方の新作に、ジェフリー・ディーヴァーの「007 白紙委任状」があります。この中でボンドはなんと、システマを使って戦っています。2回程システマを使うシーンがあります。このシーンだけはジェフリー・ディーヴァーではなく、夢枕獏先生に書いていただきたかったと思追うのは私だけでもないと思います。もちろんジェフリー・ディーヴァーも見事なシステマ像を描いていたのは言うまでもありません。それにしても、門外不出でスペツナズに教えられていた技術がジェームズ・ボンドの技術として採用されるとは、世の中は常に想像を超えて移り変わるものです。
Posted by 渡辺克敬(わたなべ かつゆき) at 23:52│Comments(0)
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