2014年11月08日
不思議な太極拳
太極拳というと多くの人が思い浮かべるのは、公園などで中高年の方たちがゆっくりと動いている踊りのようなもの~だと思います。
拳という字がついていても、武術という認識をする方はあまりいないことでしょう。
私が子供の頃には、「男組」というマンガがありまして、流全次郎という高校生が 陳式太極拳の使い手でした。また、極真会の故大山倍達氏をモデルにした「空手バカ一代」にも陳老人という太極拳使い手が出てきたり、林錬山という少々怪しい太極拳使いが出てきます。そうしたこともあって、一部の男子の中では一風変わった不思議な武術・太極拳だったのです。
太極拳にはいろいろな要素が詰まっています。運動としての側面もあるし、瞑想としての側面もあります。また、武術としての側面も、健康法としての側面も持っています。しかし、その根幹にあるのは、結局は1つであると思います。つまり、この体をいかに効率よく使っていくかということです。その方法論の数だけ様々な技術が存在します。太極拳ではうまい事多くの技術をコンパクトに型の中に詰め込んでいます。武術という切り口で言うなら、まず武術として求められるのは、早い動きと大きな力です。早いと言っても相対的に早ければいいわけで、例えば、相手がこちらが動いたことに気が付かなければ、結果として早く動いたことになりわけです。大きな力というのも同様です。バランスの崩れた相手には、軽い一押しが大きな力と同様に作用します。
どの武術も基本的には、早く動く事・大きな力を出す事を訓練しています。多くの場合は、その訓練内容が筋力アップであったり、反射神経を鍛える事であったりします。ところが太極拳は腕立て伏せやウエイトトレーニングはしません。あの型稽古が訓練の中心なのです。あれは、身体の動きの質を変えているのです。筋力増強がハードを強化しているとするならば、太極拳の型や站椿はソフトを書き換えているという事ができます。たとえば、両手首を握ってもらい動かないように力を入れてもらいます。私の場合ですと、体重52キロほどで握力も腕力も貧弱なので、正味の筋力では相手が何らかのスポーツ経験者等だとほぼ動きません。しかし、太極拳をやっているような体の中の状態を作ると、相手の力がそれだけで抜けてきます。また、型の中の動きの要領で手を挙げると相手を崩す事ができます。型を練習する事で、全身の協調と体幹の使い方が、日常生活レベルから格段にアップするのです。これはある程度太極拳や柔等をやっている方には分かる感覚かと思います。そうした、ちょっと変わったことが出来るようになるのも太極拳の魅力の1つです。
拳という字がついていても、武術という認識をする方はあまりいないことでしょう。
私が子供の頃には、「男組」というマンガがありまして、流全次郎という高校生が 陳式太極拳の使い手でした。また、極真会の故大山倍達氏をモデルにした「空手バカ一代」にも陳老人という太極拳使い手が出てきたり、林錬山という少々怪しい太極拳使いが出てきます。そうしたこともあって、一部の男子の中では一風変わった不思議な武術・太極拳だったのです。
太極拳にはいろいろな要素が詰まっています。運動としての側面もあるし、瞑想としての側面もあります。また、武術としての側面も、健康法としての側面も持っています。しかし、その根幹にあるのは、結局は1つであると思います。つまり、この体をいかに効率よく使っていくかということです。その方法論の数だけ様々な技術が存在します。太極拳ではうまい事多くの技術をコンパクトに型の中に詰め込んでいます。武術という切り口で言うなら、まず武術として求められるのは、早い動きと大きな力です。早いと言っても相対的に早ければいいわけで、例えば、相手がこちらが動いたことに気が付かなければ、結果として早く動いたことになりわけです。大きな力というのも同様です。バランスの崩れた相手には、軽い一押しが大きな力と同様に作用します。
どの武術も基本的には、早く動く事・大きな力を出す事を訓練しています。多くの場合は、その訓練内容が筋力アップであったり、反射神経を鍛える事であったりします。ところが太極拳は腕立て伏せやウエイトトレーニングはしません。あの型稽古が訓練の中心なのです。あれは、身体の動きの質を変えているのです。筋力増強がハードを強化しているとするならば、太極拳の型や站椿はソフトを書き換えているという事ができます。たとえば、両手首を握ってもらい動かないように力を入れてもらいます。私の場合ですと、体重52キロほどで握力も腕力も貧弱なので、正味の筋力では相手が何らかのスポーツ経験者等だとほぼ動きません。しかし、太極拳をやっているような体の中の状態を作ると、相手の力がそれだけで抜けてきます。また、型の中の動きの要領で手を挙げると相手を崩す事ができます。型を練習する事で、全身の協調と体幹の使い方が、日常生活レベルから格段にアップするのです。これはある程度太極拳や柔等をやっている方には分かる感覚かと思います。そうした、ちょっと変わったことが出来るようになるのも太極拳の魅力の1つです。
Posted by 渡辺克敬(わたなべ かつゆき) at 00:43│Comments(0)
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