2017年08月08日
示指を軸に腕は回る
双辺太極拳では、動きの中で、前腕を回内したり回外したりする
動きが多くあります。
この時の回転させる軸が示指から肘窩外側の軸です。
実際には、人の前腕は小指側が止まって、母趾側が動くように
回外・回内の運動をしています。
前腕には橈骨・尺骨という2本の骨があります。そのうちの
尺骨が固定されて、橈骨が動くような運動です。
例えば、机の上に掌を開いて小指を机に着けて、
母指が上になるように置きます。
この状態で掌が机に着くように回転します。
こうした回内運動では、平行に上下に並んでいた橈骨・尺骨が
回内することで斜めに重なるようになります。
人が前腕を回す動きは、基本的にはそのように出来ています。
しかし、そうした動きは実際の生活の中では、少し不便です。
どういう事かというと、例えばドアノブを回すときです。
ドアノブを回すときは、ドアノブの回転軸と前腕の回転軸が
揃うようにしています。
これは今まで生きてきた間に学習してきたことです。
掌の内側でも、大体、示指の付け根あたりに回転軸が来るように、
手首の角度を調節して、また、肘の動きを加えて、綺麗にドアノブや
鍵が回るように回転させています。
これらは無意識に学習されてきた事です。
太極拳ではそれは意識的に行います。
いろいろな動きの中で、どこに軸を置くのか、前腕を回すのは
どの部位(筋肉)を使うのか、という事を細かく稽古していきます。
そうすると、腕の纒絲勁がしっかりしてきます。
敵の腕に触れて、自分の前腕を回した時に、きれいに相手の
腕を巻き込めるようになります。
上手くいくと、2つの歯車がかみ合ったように、相手の腕が動きます。
太極拳のような技術は、つくづく細かで地味な作業の集積であると
思う次第です。
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