2017年04月18日
異速度同時進行
太極拳では、手足・体幹が同時に動くことが多いものです。
重心の移動や腰の動きと、手による技が、一緒のタイミングで
終了する事が求められます。
そうしませんと、手だけで打ったり叩くことになり、
全身を使った化勁や発勁の練習になりません。
意外と難しいのが腰と重心の動きを手に合わせることです。
例えば、左足前で、左手を前に、右手を腰にとり、
後ろ重心で立ちます。
ここから、少しずつ前重心にしつつ、手・体幹・重心を
動かしていきます。こうした時には
手が60センチ動く間に、腰の方は20センチほど動いて、
重心の方はさらに動きが少ない、ということもあります。
居合の黒田先生が、以前、異速度異方向同時進行 といような
事をおっしゃっていましたが、太極拳でも、まさにそうした動きが
求められます。
これは文章や言葉ではなかなか理解が難しい動きです。
概念としては分かっても、身体は簡単には動きません。
実際に先生が説明しつつ、弟子の身体を動かして、「こうやる」
というように指導して頂くと、比較的速やかに、身体が理解して
出来るようになります。
そこまでしてくれない先生の場合は、
先生の動きをしっかり見ていくしかありません。
こうした身体運用の難しさがあるので、
太極拳は、少人数か、個人指導でないと
なかなか上達が難しいものです。
Posted by 渡辺克敬(わたなべ かつゆき) at 23:38│Comments(0)
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