2017年05月16日
手と足が同時に至る
「手と足が同時に至れば鬼神もこれを避ける」
「手と足が同時に足れば鬼神も避けがたし」
どちらにしても、大きな威力があるということです。
これは、形意拳などで言われている言葉です。
形意拳では打つ時には常に踏み込みます。
踏み込んで重心を前と下に移動させて、
瞬間的に自分の体重を重く使うわけです。
この時にも、やはり重心の感覚は大切ですね。
昔のエレベーターで上に行くときには、やや体重が
重くなったように感じましたが、その感じを実際の
打撃に生かすわけです。
その極端な例が、八極拳や心意六合拳で有名な
震脚です。
強い踏み込みと同時に打つ事で打撃力を上げることは
割と使いやすい技法です。
誰でもできる技術としては、手ほどきへの応用があります。
握られた手を上げる時に震脚を行い、急激な重心変化の反動で
手が上がるようにすると、腕力にかなりの差があっても
容易に手が外せます。コツは太極拳をやっている人ならば、
太極拳の身体の状態を保つことです。
つまり肩や股関節をはじめとして
身体を適切に緩めて、外に張り出す力は維持する、
ということです。
この状態で行えば、外に張り出す力・・・掤勁を
瞬間的に強くすることが可能です。
双辺太極拳では、一歩出て技を行う時には、手と足が
同時に至るようにしています。
この点が他の太極拳との違いと言えます。
これは形意拳的な力の出し方を行おうとしている為です。
創始者の陳泮嶺が形意拳の発力法を主たる技法に
選択した為でしょうね。
2016年11月19日
心意六合拳
太極拳歴18年のKさんは、5~6年前から
心意六合拳も一生懸命練習しています。
昨年の表演会も心意六合拳・鶏を行い、
今年も鶏で頑張りました。
昨年の画像もあるので、進歩が良くわかります。
威力は大きくなり、歩法も良くなっています。
また、最後の鷹足把も震脚がパワーアップされて
雷声も大きく通るようになっています。
心意六合拳のような拳法は人を選ぶようです。
一見単純な型の難しさを楽しんで、同じ様な事を
同じでなく頭を使って、日々稽古できる事が大事です。
そうした事が出来る人は意外に少ないものです。
武術でも、日々の地道な努力と、頭を使うことが重要ですね。
2016年03月17日
技の進歩
心意六合拳を稽古しているお弟子さんが、
最近少し発力の感じが出てきたようです。
といっても、まだ芽が出たばかりですが。
その人は、3年程太極拳をやってきて、
心意六合拳・龍形を、ここ1年ほど稽古してきました。
ここ数カ月は、鷹柵把という発力の為の練習もしていました。
先日、その型を行った時に
「手がビュンと鳴って、力が手まで来た」
と、嬉しそうに言っていました。
地道な稽古を続けていると、ある時に、
ちょっとした変化が起こります。
ちょっとした変化は、大きな変化の萌芽である事もあります。
私も、そうした事をいくつも積重ねて、
少しずつ技が上達してきました。
そんな変化を得られる事が、武術をやる者の楽しみの1つです。