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双辺太極拳のはじめの部分です。立ち方、動き方に特徴があります。
形意拳・八卦掌の要素が入っている太極拳です。 全身の協調力を養うのに優れています。
詳細はコンセプトよりご覧ください。

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2015年01月28日

知って便利な太極拳の解剖学 ~ 肩


 肩の関節は、ちょっと見ると、上腕骨と肩甲骨の間だけの動きのようですが、実際には鎖骨や肩甲骨が複雑な動きをしています。
 肘を伸ばして、腕を真横に挙げて、そのまま上腕が耳に着くまで上げていきます。肩が固い方は、場合によっては、ここまで腕が上がらないかもしれません。あるいは、途中で肘が曲がってしまうかもしれません。ある程度太極拳をやっている方は、きれいに上がると思います。ですから、肩が固い方や、肩こりの方には太極拳が効果的なわけです。練習の結果、肩周囲の筋肉が柔らかくなるのですから。

 さて、腕を真上に挙げた時に、動いたのはどこでしょうか。身体の横に垂らした腕が真上まで上がったとして、180度動いたことになります。このうちの120度は肩甲骨と上腕骨の間の動きです。残りの60度は肩甲骨が胸郭(肋骨)の上を回転した分の動きです。肩甲骨と胸郭の間の関節を肩甲胸郭関節という事もあります。肩甲骨は胸郭の上に載っているだけです。肩甲骨の周囲には多くの筋肉がついていて、肩関節の複雑な動きに大きく寄与しています。ですから、肩甲骨周囲の筋肉が固くなると、肩の動きが悪くなり、腕の付根の関節(肩甲上腕関節)に負担がかかるわけです。

 ここ10年ほどで肩甲骨への関心がスポーツの世界でも注目されてきました。古武術の甲野善紀先生が、高校バスケット部を指導した際に、肩甲骨の動きを良くする方法も取り入れて、効果を上げたという報告もありました。アスリートや武術を行う人にも、肩甲骨の動きは重大な事です。

 私が太極拳を習った時代には、肩甲骨云々という話はありませんでしたが、先生の注意を守り、言われた鍛錬を行う事で、結果として非情に柔らかな肩甲胸郭関節となりました。
 どの流派の太極拳であれ、まっとうな先生ならば初心の段階で、股関節と肩関節のリラックスを教えます。それが、後々、太極拳に必須の掤勁に繋がります。流派によっては、肩周囲を柔らかくする様々な方法があります。誰かに腕を引っ張ってもらうと、肩が抜けたと思うほど柔らかい肩になります。

 太極拳の練習要領の1つに 「沈肩垂肘」 というものがあります。太極拳をやっている方はご存知と思います。要するに太極拳の練習中に、不用意に肩肘を上げないという事です。
 肘を軽く伸ばした腕を、肩の高さまで挙げてみましょう。この時に、多くの人は、肩が少し上がります。肩先の三角筋という筋肉の上に反対の掌を置いておくと、筋肉が固くなったり、肩が上がるのが分かると思います。太極拳をやっている人は、肩が上がらず、場合によっては少し下がる事もあります。三角筋の緊張も僅かです。
 太極拳の初心者は、こうした腕を上げるという事1つを取ってみても、なかなか太極拳の要求する所をこなせないものです。太極拳の練習というのは、ただ型の順番をなぞるのではなく、1つ1つの動きを丁寧に行い、柔らかな動きと身体を得られるようにすると、上達が早いものです。型の練習では、動きの中でやらなければならない事が多いので、站椿の際に集中して練習するのもいいかもしれません。もし練習相手がいれば、肩の上の三角筋、胸から肩にかけての大胸筋、肩甲骨から肩先にかけての大円筋・小円筋などに手を置いてもらって、緊張の度合いを確認してもらうと良い練習になります。
 なかなか力が抜けない方は 「わざと力を入れてから抜く」 という事を何回か繰り返すと、余分な力を抜く練習になります。

 「力を抜く」 「放鬆(ファンソン)」 というのは、太極拳練習者はどなたも言われたことと思います。
最終的に力を出す、発力・発勁等の練習に至る為にも、また健康の為にも、柔らかく動ける身体を造る事は太極拳の最初の一大事であります。

  


Posted by 渡辺克敬(わたなべ かつゆき) at 00:21Comments(0)太極拳の解剖学