形意拳に挑戦

渡辺克敬(わたなべ かつゆき)

2016年11月24日 00:19


 富士市で太極拳の個人指導をしている渡辺です。
熱心に太極拳を練習している中年女性の
生徒さんがいます。
私の指導している双辺太極拳は、形意拳の要素が
多く入っています。まず立ち方が陳式や楊式とは
違っています。
三才式という、形意拳の姿勢に近い立ち方をします。
後ろの膝を曲げる事。
左右の足の感覚が狭い事(身体を薄く立つ)、事などが
特徴的です。

 そうした事もあって、その生徒さんは太極拳の為に
ぜひ形意拳も学びたいという希望がありました。
少し大変かな、とは思いましたが、熱心な生徒さんなので
劈拳だけ指導する事にしました。
同じ系統の武術とはいっても、やはり違う武術です。
なかなか苦労していますが、得るものは多いようです。

太極拳は、「彼動かざれば、我動かず。彼僅かに動けば
我先に動く。」といいます。
形意拳では、「攻撃を考え、生存を思ってはならない。」
と言うように、2つの拳法は戦闘理念や戦略が根本的に
違います。ですから、ずっと太極拳を稽古していた人は
気持ちの切替が難しいものだと思います。
(無論、中には苦労なく切り替えられる人も多いですが。)
形意拳には形意拳の、太極拳には太極拳の、
各々必要な意念があります。
それをしっかり持って稽古を行ってこそ、1年後3年後と
後になればなるほど効果、違いが出てくるものです。
内家拳は精神と身体の操作技術を学ぶのに良いものだと
つくづく思います。

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