護身術:暗器編  万力鎖と手拭

渡辺克敬(わたなべ かつゆき)

2016年10月18日 00:11





 鎖物の武器と言えば、鎖鎌が有名です。
しかし、鎖鎌は隠し武器とは言えず、一般の人が
携帯・使用するには不向きな物です。
鎖物の暗器としての白眉は万力鎖ですね。
万力鎖は多くの流派で使われており、その名称や
鎖の長さ・分銅の大きさ・重量など様々です。
基本的には、20センチから90センチほどの鎖の
両端に分銅のついた武器です。
握り込めば、掌に隠れて、敵の目に触れにくく、
攻撃の間合いも、近距離から鎖の長さまでの
遠距離まで多彩です。分銅で顔面や手足を打ったり、
腕や首を絡めて倒す事も可能です。
万力鎖は効果的な暗器ですが、
体術がある程度出来てこその武器なので、柔術や
空手などの素養がある方が使いやすい武器といえます。

万力鎖の代用として、威力はかなり落ちますが、
携帯性や合法性を考慮してお勧めなのが手拭です。
敵の腕を絡めたり、頸を絞めて背中に背負ったりと
万力鎖のような使い方が可能です。
打撃はさすがに分銅ほどの破壊力はありません。
二つ折りにして顔面を攻撃すると、フェイントとして
効果がありますが、本気の敵には通用しがたいものです。
そこで覚えておいて効果的なのが、手拭を濡らす事です。
時間と状況に余裕があれば、ペットボトルのお茶や
その辺にある水(台所やトイレなど)にさっと浸けて
使います。こうすると、長いまま振り回しても、
そこそこの打撃力が得られます。敵の腕や顔を打って
怯ませるのに十分な打撃です。
手拭は薄いので畳んでポケットに入れておくと
便利なものです。
そうそう、ベルトも振り回すのには便利な物なので、
相手が短い刃物などを持っている時で、
逃げられない状況ではベルトも重宝です。

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