護身術:暗器  女性でも簡単に投げ技の達人に

渡辺克敬(わたなべ かつゆき)

2016年09月24日 00:57



小さな武器、日常用品に偽装したような武器を
「隠し武器」といいます。
中国では「暗器・あんき」といいます。
武器になるものを携帯できない人物や状況で
秘かに身につけている便利な武器です。

一番の長所は、それが武器に見えない為に、
相手の油断につけ込むことが出来る事です。
短所としては、その小ささゆえに、
例えば刀程の強力な戦闘能力を有していない事です。

一見すると、角の付いた指輪。これが 角手(かくて)です。
西洋の武器化する指輪に「ボクサーリング」というものが
あります。
ボクサーリングは、指輪に大きな装飾が付いていて、
その指輪の出っ張りを外側にして指にはめます。
そして、拳を握って、指輪の出っ張りで相手を殴って
ダメージを大きくします。
角手は、出っ張った角を内側・掌側にしてはめます。
角の角度や長さで、拳を握っても自分の掌を
傷つけないようになっています。
どう使うかと言いますと、
1.掌で相手を叩いて、角手の角が相手の皮膚を割いて
ダメージが大きくなるようにする。
2.角手をした手で相手の腕をつかむと、
 角が相手に刺さり、痛い上に容易に振りほどけない。
 この状況で相手を投げたり固めたりすると、
 技が驚く程 簡単に掛る。

現存する江戸時代などの角手の中には、小さなものが
多く見受けられるようです。これは、女性が護身用に
使う人が多かったという事のようです。

女性が柔道や合気道のような技をかけようとすると、
相手が女性より体重のある男性では、それだけで
技がかかりにくくなります。
そうした時に角手を使えば、技の習熟度を補って余りある
効果があります。
特に、相手に暗器の存在を悟られずに使えば、
初心者の女性でも、相手に化勁や合気を掛けたのと
同様の崩し効果が出せるものです。

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