肘の使い方③ 有効な技・肘打

渡辺克敬(わたなべ かつゆき)

2016年04月22日 00:34



 太極拳や八卦掌・心意六合拳など内家拳では
肘打ちが良く使われます。
しかし、肘打ちと言っても、ムエタイや空手のように
見て分かりやすい肘打ちは少ないものです。
内家拳は、遠ければ拳や掌、少し近ければ肘、更に近づけば肩、
と言うように、同様の技を距離に応じて、当たる所を変えて使う、
という事が結構あります。
また、肘打ちと言っても、肘を振り回すように使うよりは
体当りでたまたま肘が当たった、という感じで
肘打ちを使う事少なくありません。
心意六合拳などでは説明を受けなければ、
肘打ちをしている事に気が付かないような動きもあります。
また、肘打ちは攻撃だけではなく、受けにも使えるものです。
受けと言っても、実際は相手の攻撃してきた腕に対して
肘で攻撃するので、攻撃的な受けと言う事になります。

組手やスパーリングを実戦と考える方は、肘では近距離での
対応しかできないと思うかもしれません。
しかし、審判がいて畳やリングの上で、一定距離を保って
相手の様子を見ながら戦う、という事の方が特殊な状況です。
多くの揉め事は至近距離で起こります。
お互いに手の内が分からぬ状況で、突然飛んでくる肘は
相手には脅威、自分には頼もしい味方となります。
ですから、セルフディフェンスを教える時には、
まず、肘の使い方を教えるようにしています。

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