腰痛と技の進歩
4月の下旬から2週間ほど頑固な腰痛に悩まされました。原因は明らかではなかったのですが、朝の稽古が終って、食事が済んだ頃から腰回りに違和感を覚え、だんだんと痛みが強くなってきました。ですから、ぎっくり腰のように、この時こういう事をして腰を痛めた、という訳ではないのです。2日ほどは真っ直ぐに立つのにも支障がある状態でした。その後も、立っていれば良いのですが、一旦腰かけると、立つ時に「いたたた・・」という状態でした。自分で手の届く範囲に鍼治療をしたり、一人でできる整体をしましたが、治療による反応が良くありません。テーピングをしてもあまり効果はありません。自分自身にする治療には限度があるにしても、手応えが今一つです。仕事や稽古を毎日しているせいもありますが、症状の推移や痛む部位の変化が、どうも普通の腰痛ではないと感じました。
思うに、この数か月、骨盤や股関節周囲の動き方に、特別な意識を置いて稽古していたので、身体の中で何かが臨界点に達して、身体が変化する過程であったようです。今は、腰痛はすっきりして、身体の中の構造体が以前より弾力を持って、身体が更に重く使えるようになりました。稽古の前後には、身体のメンテナンスの為に、気功やストレッチを十分しているのですが、長い事稽古をしていると、そういう事もあるものです。
太極拳のような武術は、技術が積み重なって、飽和状態になると質的に変化をするという事を繰り返していくようです。ですから、年齢による劣化というものはあまりなく、稽古を続けていけばいつまでも進化の可能性があります。稽古を止めなければ、「昔は〇○だった」とか「若いころは××だった」という事を言わないで、いつまでも現役なのがありがたい事です。
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