ファイブフィンガーズ 5本指の靴
ある人が、空手の組手を観ていてボソッ、と言いました。「空手はオシャレじゃない、だって裸足だもの」その人は結構な武闘派だったので、妙に可笑しくて記憶に残っています。中国拳法が空手と違う事の1つに、靴の着用があります。空手の技で、爪先で相手をける技がありますが、それは実用になるまでに、とてつもない訓練が必要です。ところが、中国拳法では靴を履くことが前提です。その為に、初心者でも靴のおかげで、爪先で躊躇なく相手を蹴る事ができる訳です。安全靴でも履いていようものなら、とっても危険な安全靴、という事になります。
ということで、太極拳でも外での練習や体育館のような場所での練習は、靴を履いて行います。
靴は布製の太極拳用靴のような物もありますが、私は普段の練習では、底が柔らかめの歩くのに適したスニーカーのような靴を履いています。練習内容によって、靴は傷みやすいので、なるべく安くて履きやすい靴を探します。
ファイブフィンガーズという靴があります。これは、5本指の靴です。靴の先が5つに分かれています。
それを履いているとカエルの足のような印象です。ヨガや太極拳等をやるのに適した靴です。底が薄いので、床や地面の感じがダイレクトに来ます。足裏の感覚がとても良いのですが、震脚が激しいような武術には、あまり向いていません。私も太極拳の練習で時々履いている事がありますが、心意六合拳は靴を傷めるので、ファイブフィンガーズを履くことはありません。この靴は高いので、気楽に消耗品にするのが忍びないからです。
足の裏の感覚というのは大事です。重心を足裏から地中に落としていく感覚を得るには最初のうちは足裏のコントロールが必要です。ファイブフィンガーズですと、足裏と地面の親和性が高いので重心のコントロールがしやすくなります。また足趾が独立しているのでバランスも良くなります。最近は底が少し厚めで、走る事を前提にしたタイプも出ています。履くのに少し面倒で、靴下も5本指でないといけませんが、なかなか良い靴です。
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