太極拳の性格、形意拳の性格
「彼動かざれば、我動かず。彼僅かに動けば、われ先に動く」 と太極拳は言います。
「攻撃を考え、生存を思ってはならない」 「打人は歩く如く、人を見る事は蓬のごとし」と形意拳は言います。
太極拳も形意拳も内家拳という拳法で、親戚のようなものです。共通点も多くありますが、もちろん全く異なる事も多くあります。
太極拳は型練習の時には、比較的穏やかな気持ちで型を行います。これは太極拳の型が運気を重要視していて、気の流れを良くするための精神状態を必要とするからです。
しかし、形意拳ではもっと攻撃的な気分で型練習を行う事が求められます。
私が習った先生は、普段はとても紳士的で穏やかな先生でしたが、型の練習をしている時には、しっかりと本気で目の前に相手を想像(創造)して、その敵をきちっと倒すよう求められました。練習は先生が見ている前で際限なく型稽古が続くというものでした。その中でしっかりと意志を持ち続けるのはかなりの意志力が必要でした。それも大事な練習であり、良い稽古をつけて頂いたと思っています。気の持ちよう、意識の持ちようは技に反映されます。そうした気迫を持って型を行うのと、考えなしで行うのでは、1年後には計り知れない差が出てきます。
スターウォーズの話です。アナキン・スカイウォーカーは悲しい事情からダークサイドに落ちてしまいます。そしてダースベイダーになったわけですが。
思うに、太極拳はジェダイの騎士のように、フォースを生真面目に鍛える方法であるように思います。形意拳は、あえてダークサイドに半身を沈めつつ、飲み込まれずに使いこなしているように思います。形意拳の四梢の教え等は、メンタルな部分のコントロールの有効な方法が説かれていますが、それは、またのお話。
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