早起き太極拳  続ける秘訣は

渡辺克敬(わたなべ かつゆき)

2015年01月19日 23:03

1月の最初の2週くらいが、日の出の一番遅い時期です。私は毎日朝が稽古の時間です。ですから、練習を始めた時には、まだ星が出ています。このところは月が少しずつ痩せながら、毎朝同じ時間だと、ちょっとずつ東側に見えるようになっていきます。旅先や研修所、大事な試験の日なども、このペースは変わらず、ここ18年は朝が自分の稽古時間です。
 
 皆さんも太極拳に限らず、何かの芸事やスポーツの練習時間を取る事に、色々と苦心している方が多いと思います。仕事に追われていたり、主婦の方も家事の予定が詰まっていたりと、毎日時間の捻出に苦心している事でしょう。
 
お稽古に関して、バレリーナの森下洋子さんは、
「1日休めば自分に分かる。2日休めば周りの人に分かる。3日休めばお客さんに分かる。」 
と言っていました。
 また、古武術の甲野善紀先生は
「ノルマで稽古をしても効果がない。芸術家が絵を描くのにノルマで描いたりはしない。」
と言っていました。

 とはいっても、私のような本質的には怠け者の性分の者は、放っておけば、稽古を怠けるのは明らかです。
 暑いから、寒いから、今日は大事な用事があるから、疲れているから、風邪をひいているから等々
稽古を休む理由は山ほど用意できます。そこで、決めました。立って歩ける限りは練習をすると。幸い中国武術の関しては、もし、立てなくても、寝たままでも稽古が出来る練習メニューもあります。
 皆さんにお勧めしているのが、カレンダーに印をつける事です。私の場合だと、5系統ほどの練習メニューがあって、稽古が終るとカレンダーに行った稽古内容の記号を書いていきます。1ヶ月が終ると、カレンダーは記号でいっぱいになります。そうして稽古を続けていくと、夏休みのラジオ体操や学校の皆勤賞のようなもので、ここまで頑張ったのだから、という思いで稽古を続ける事が出来ます。地道に練習を続けている人は、ほとんどカレンダーに印をつけているようです。
 本来的には、そんなことをしなくても楽しく練習を続けたり、当たり前のように、情熱を傾けて稽古に取り組むことが出来ればいいのですが、なかなかに難しい事です。そうした事を克服する事も含めて、修行というものか、と思っています。

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